ミニチュアハウスと人や庭のアクセサリをアレンジするセラミックのアートでリアルな世界
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芸術の集大成―ロマネスク・ゴシック・バロック様式の教会

芸術の集大成―ロマネスク・ゴシック・バロック様式の教会

デパートメント56ではミニチュアの多種多様な教会のライトハウスを発表しています。そのモデルは75を超え、最も力を入れて製作をしているといえます。ヨーロッパの歴史においても、教会の存在は人々のよりどころであり、その国や地域の権勢や権威の現れてであり、そしてその建築は文化や芸術に直結したものでした。教会から新しい芸術やモードが発展していったといっても過言ではないでしょう。

デパートメント56 教会のライトハウス

ヨーロッパに行くと教会を中心に町作りがなされていることがわかります。教会の建築と美術について述べようとすると、ヨーロッパの歴史を述べるとの同じぐらい膨大で奥深いものとなるので、ここではデパートメント56が発表している教会アイテムの一部と関連する3つの主な建築様式について触れてみましょう。

ロマネスク様式

建築様式の歴史は、ロマネスクが一番古く、続いてゴシック、ルネサンス、バロックと続きます。デパートメント56の教会をモチーフにしたライトハウスにはルネサンス様式はほとんどみられず、それ以外の3つの様式の教会が見られます。

●●様式というのは、様式が生まれた時代の人がそのように名づけたというよりは、後になって新しく生まれた様式と区別するために名づけられることが多いようです。「ロマネスク」という言葉も19世紀になってから美術史家によってつくられた用語です。

ロマネスク様式は11世紀から12世紀の西ヨーロッパに開花した建築様式です。古代ローマの建築を彷彿とさせることからこの用語が生まれました。 ローマ時代に多く使われた半円形のアーチと堅牢な石造りが主な特徴とされています。窓が少ないのもその特徴の一つです。他の様式にもいえることですが、実際の建築には初期のキリスト教、美術、異教の文化影響を受けたものや、地方によっても趣が異なるなど様々な要素が取り入れられているので、それぞれに個性があります。

ドイツ・ケルンのザンクト・パンターレオン聖堂     デパートメント56のライトハウス セントラル・シナゴーク 

上の写真は、ドイツのケルンにあるザンクト・パンターレオン聖堂です。その隣の写真は、デパートメント56のCentral Synagogue(セントラル・シナゴーク)というミニチュアのセラミックライトハウスです。ロマネスク調の二つの鐘塔が素敵ですね。

ゴシック様式の聖堂は主に都市に多く見られますが、ロマネスクの教会堂は人里はなれた場所に建つものが少なくありません。 これは、修道院が多い時代だったという歴史的背景があるようです。ですから、教会の作りもゴシックほど巨大ではなく、ちょうど良い大きさの聖堂で、どことなく身近に感じられる雰囲気があります。

ゴシック建築様式

ゴシック建築が誕生したのは12世紀フランスのパリ。それまで控えめな規模の教会がほとんどでしたが、この頃から大規模な教会に建てかえられるようになりました。

ちなみに、“大聖堂”という言葉は「大きな教会」を指しているように思われがちですが、実はフランス語のカテドラル(cathedrale、英語ではcathedral)といい、これは「司教の座る椅子=司教座」を意味します。すなわち、大聖堂は“司教座の置かれている教会堂”のことをいうのです。

デパートメント56の教会のライトハウスにも、“Cathedral ●●●”とされているものがいくつかあります。 ゴシック建築の代表的な教会を挙げると「ノートルダム大聖堂(アミアン大聖堂)」、「シャルトル大聖堂」、「ランス大聖堂」など数えるときりがないほどたくさんあります。特徴としては、高い天井、光をとるため窓は天井まで大きくとられています。イギリスやドイツにもゴシック様式の教会が多く見られます。

アミアン大聖堂    ランス大聖堂

デパートメント56で発表しているセラミック製のライトハウス「Cathedral Of St. Nicholas(セント・ニコラス大聖堂)」もその一つです。セント・ニコラスという名前の教会はヨーロッパには数え切れないほどあり、中でも英国が最も多く存在します。

下の写真は、英国アバディーンにあるセント・ニコラス大聖堂です。この大聖堂が一番類似しているので、おそらくこの教会をモデルにデパートメント56がミニチュアの製作をしたものと思われます。

英国アバディーンのセント・ニコラス大聖堂    デパートメント56 セント・ニコラス大聖堂

ゴシック建築の特徴としては、教会の上から下の方向で、外側の部分で限定すると次のようになります。

・鐘塔(初期キリスト教時代には鐘塔は教会堂のそばに独立して立っていました) ・王のギャラリー(聖書に登場するイスラエル王等の彫像などで、鐘塔の下に装飾されています)
・バラ窓(ステンドグラスがはめ込まれている部分。聖書の物語などが描かれています。)
・破風(切り妻屋根正面の三角形の壁) ・タンバン(扉口の上部のアーチに囲まれた半円形部分)
・扉口(教会堂の西正面や北正面に設けられた装飾に富んだ入り口)

下の写真のデパートメント56のミニチュアの教会”Old Trinity Church(オールドトリニティ教会)”を見ると3つの入り口がありますが、この3つの入り口もゴシック様式の特徴といえます。昔の現在装飾については、内部も含めると多種多様で、ここでご紹介するのは控えますが、ゴシック様式において最もわかりやすい特徴といえば、建物の巨大化ということでしょう。

デパートメント56 オールドトリニティ教会

教会堂が巨大化するにつれ、その建築年数も半端ではありません。長いものになると70年かかるものもありました。ドイツのケルン大聖堂などは600年もかかりました。ですから、建てている間にどんどん時代が変わっていくということもあり、ロマネスクとゴシック様式が混合した建物も少なくなかったようです。時代を反映しているのですね。

現在も建築中のサクラダファミリアも様々な建築士が関わっているので、部分的にいろいろな様式が見られるかもしれません。

バロック様式

ゴシックのところでもご紹介したように、デパートメント56では実在するミニチュアの教会を製作しています。英国ロンドンにあるSt. Paul’s Cathedral(セントポール大聖堂)もその一つです。バロック様式を代表する建物の一つです。

セントポール大聖堂  デパートメント56 セントポール大聖堂

バロック様式は、上記に二つに比べ比較的新しく、16世紀末から18世紀初頭にかけてヨーロッパ各地で広がった様式です。動的にうねった造形や過剰ともいえる装飾が施されています。

バロックという用語はポルトガル語から来ているようで、うねった真珠を意味します。このことから内部も外部も曲線的に作られているのがわかります。より芸術的な視点からデザインされているといって良いでしょう。 セ

ントポール大聖堂は607年に創建されたといわれていますが(一説には314年にはすでにあったといわれています)、1085年に火事により焼失し、再建された後再び1666年にロンドンの大火で焼失してしまいました。この後1710年に再建されました。非常に古い歴史のある教会ですが、1700年代のバロック様式が採用され、最終的に今に至っています。

デパートメント56では、この他にも多数のミニチュアの教会を製作しており、荘厳な教会ばかりでなく、素朴な教会やかわいらしいチャペルまでいろいろあります。またそれに付随するミニチュアのアクセサリも多数あります。ビレッジ・デコでもどんどんご紹介する予定です。皆さんもぜひ、この小さな中世の世界を体感してください!

デパートメント56 チャペル

参考文献
佐藤達生・木俣元一 大聖堂物語―ゴシック建築と美術 河出書房新社
都築響一・木俣元一 フランスゴシックを仰ぐ旅 新潮社
辻本敬子・ダーリング益代 ロマネスクの教会堂 河出書房新社